監 査 第 ２ ９ 号 平成２５年（2013）５月２４日
出 雲 市 長
長
岡
秀
人
様
出雲市議会議長
坂
根
守
様
出雲市監査委員
勝
部
一
郎
出雲市監査委員
吾
郷
紘
一
出雲市監査委員
川
上
幸
博
財政援助団体等監査の結果について（報告）
監
査
結
果
報
告
書
第 1
監査の対象
特定非営利活動法人 斐川環境ＡＭＹネット２１ ① 平成２３年度(2011)指定管理対象施設の運営状況 ② 平成２３年度(2011)指定管理対象施設の経理状況
第２
監査の実施期間
平成２５年(2013)４月１２日から同年５月１５日まで
第３
監査の方法
今回の監査は、あらかじめ特定非営利活動法人 斐川環境ＡＭＹネット２１から 決算書及び附属書類等の必要な資料の提出を求め、これらを審査するとともに、関 係職員に対する事情聴取等を行うなどの方法により実施した。
第４
監査の結果
事前に提出された関係諸帳簿は、一部内容が証拠書類と適合しておらず不適切と 思われる部分もあったが、説明により計数的には適合していることを確認した。一 方、事務処理については、概ね良好と判断したが、一部、不適切と思われる部分や 見直しの必要な事項も見受けられた。
なお、監査委員としての要望事項は次の４点である。
１．施設の利用に関する事務手続きについて
２．収支状況報告書の作成に係る会計処理について
収支状況報告書の支出欄「給料」に対応した施設ごとの稟議書が見当たらなかっ たことから伺った。後に指定管理業務以外を含めた全体の「給与明細一覧表」及び 「残高試算表」の提出を受け、その内訳によって施設ごとの最終的な給料の金額は 一致した。しかし、指定管理は一括ではなく、施設ごとに定められているので、指 定管理料の支出に関しては、施設ごとに稟議書等によって収支状況報告書の内容が 明らかになるようにしておかれたい。
また、原鹿の旧豪農屋敷に係る収支状況報告書については、利用料金収入の集計 漏れ、受取利息の計上漏れなどがあった。更には、報告書の金額内訳が総勘定元帳 の内容と全く相違しており、これでは報告書自体の信憑性も疑わしいものとなる。 あらぬ疑念が生じないよう、適切な会計処理を肝に銘じていただきたい。
なお、指定管理料や施設利用料に係る収支状況報告書と、自主事業に係る収支状 況報告書は各々独立した経理として区分すべきと考える。また、利用料金収入のう ち「手数料」に係るものは、施設利用料収入ではなく自主事業収入分として区分す べきものと解するので、併せて市所管課に確認しておかれたい。
３．収支に係る今後の対応について
特定非営利活動法人の性格から営利を目的にはできないため、「ボランティア意 識」をもって指定管理料の範囲内で効果的で効率的な業務の遂行を目指すという考 えには敬意を表する。しかしながら、収支がマイナスとなっては、市民サービスの 向上どころか施設の維持管理さえできなくなる。管理施設のうち原鹿の旧豪農屋敷 については、平成 20 年度以降黒字を維持している施設であるが、自主事業収入が 毎年度減少していることが気掛かりである。更なる経費の節減や施設利用の促進に 努めるなど、十全の手当てを講じられたい。
４．自主事業について
自主事業は、その施設の設置目的の範囲内で「自らの負担において企画及び実施」 し、「収益は指定管理者の収入」となるものである。原鹿の旧豪農屋敷においては、 「そば祭り」や「神楽祭り」の開催等によって入館者数の増加を目指しているとの ことであるが、売店収入が収益に寄与しているので、旅行会社等へのアプローチな ども図って市外からの観光誘客にも積極的に取り組まれたい。
また、自主事業は職員のモチベーションの維持・向上にも繋がるので、原鹿の旧 豪農屋敷ばかりでなく、斐川環境学習センターにおいても、イベント開催など指定 管理者の柔軟な発想をもって、収益の確保に繋げられたい。
１．【特定非営利活動法人 斐川環境ＡＭＹネット２１の概要】 ①所在地 出雲市斐川町直江4774 番地 1
②代表者 理事長 高橋 義孝 ③法人設立 平成 15 年 11 月 21 日
④役 員 7 名（理事長 1 名、理事 4 名、監事 2 名） ○活動の種類
①まちづくりの推進を図る活動 ②環境の保全を図る活動 ③こどもの健全育成を図る活動
④学術、文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動
⑤環境の保全を図る活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡助言又は援 助の活動
○活動に係わる事業の種類 (1)特定非営利活動に係わる事業
①生ごみ堆肥化プロジェクト事業 ②地域環境学習事業
③リサイクルプロジェクト事業 ④生ゴミの運搬、収集事業 ⑤子供と自然のふれあい事業 ⑥環境にやさしい街づくり事業 ⑦文化財保存に関する事業
⑧環境、文化、スポーツ施設等の管理運営事業 (2)その他の事業
①食品の安全及び特産品のプランニング事業
②有機栽培(無農薬米、青ネギ、たまねぎ、にんじん等)の販売
２．【指定管理施設の概要】 (1)斐川環境学習センター
出雲市斐川町出西 1943 番地 木造 2 階建 延床面積 753.94 ㎡
1 階：坪田愛華さん“メモリアルホール”、工房室、交流室、自然エネルギー 展示室、事務室
2 階：リサイクル商品展示室、実習室、体験室、倉庫
○指定期間 平成 25 年 4 月 1 日～平成 30 年 3 月 31 日（5 年） (2)原鹿の旧豪農屋敷
主屋、新座敷、門座敷、前庭
○指定期間 平成 25 年 4 月 1 日～平成 30 年 3 月 31 日（5 年）
３．【指定管理施設の管理状況】 ○平成２３年度指定管理料
(1)斐川環境学習センター 3,815,000 円 (2)原鹿の旧豪農屋敷 3,150,000 円 ○平成２３年度利用状況
(1)斐川環境学習センター 来館者数 3,342 人 (2)原鹿の旧豪農屋敷 利用人数 12,066 人 ○平成２３年度決算
(1)斐川環境学習センター
収入 4,001,923 円 支出 4,375,426 円 収支差引 △373,503 円 (2)原鹿の旧豪農屋敷
